イベントが終わって片づけをしていたら、配りきれなかったイベントチラシの束が段ボールの隅から出てきた、という経験はありませんか。
内容には自信があったのに、思ったほど人が集まらなかったときの悔しさは、なかなか言葉にしにくいものです。
イベントチラシは、デザインの上手さよりも、見た人が「行く」と決めるまでの道筋がつながっているかどうかで、結果が大きく変わります。
この記事では、集客につながるイベントチラシの作り方と、外注するときのコツを、よくある失敗例と比べながらお話しします。
内容は良かったのに配り残しが出た、あるイベントの話
地域の手づくりマーケットを、初めて主催した方の例を考えてみます。
出店者にはこだわりのある作り手が揃い、当日の雰囲気にも自信がありました。
そこで、写真映えのする出店者の作品を大きく載せ、余白をたっぷり取ったおしゃれなイベントチラシを自作します。
ところが、駅前や店頭に置いてもなかなか減りません。
あとで知り合いに見せて感想を聞くと、「素敵だけど、いつどこであるのかが分からなかった」という声が返ってきました。
日時と場所が、デザインの一部として小さな文字に溶け込んでいたのです。
自分が良いと思うものを、初めて見る人にも同じように読んでもらうのは、思っている以上に難しいですよね。
この話の原因は、デザインが下手だったことではありません。
主催者にとっては当たり前の情報が、初めて見る人にとっては最も大事な情報なのに、目に入る順番が主催者側の都合で決まっていたことにあります。
作り手ほど、作品の魅力を伝えたくなって、開催情報を後回しにしてしまう傾向があります。
その気持ちが強いからこそ、自分で作ったイベントチラシは、どこが足りないのかが見えにくくなります。
あなたのイベントチラシは、初めて見る人にも、いつ、どこで、何をするのかが三秒で伝わるでしょうか。
集客できるイベントチラシと、そうでないものの分かれ目
二枚のイベントチラシを並べて比べると、違いは絵の美しさよりも、情報を置く順番にあります。
集客につながりにくいものは、大きな写真とキャッチコピーが目を引く一方で、日時や場所、参加方法が下のほうで小さく並んでいます。
反対に人を動かしやすいものは、誰に向けたイベントなのかが最初に伝わり、続けて日時と場所、終わりに参加方法と問い合わせ先が読み取れるように、視線が自然に流れます。
目立たせたい順ではなく、読んでほしい順に並べることが、イベントチラシの土台になります。
もう一つの分かれ目は、見た人が次にすべき行動が、一つに絞られているかどうかです。
「詳しくはSNSで」「お問い合わせはこちら」「申し込みはQRコードから」と行動が三つ並んでいると、どれをすればいいのか迷って、何もせずに帰ってしまう人が出てきます。
申し込みが必要なイベントなら、QRコードを一つだけ、目立つ位置に大きく置くほうが動きやすくなります。
配る場所によっても向き不向きがあり、店頭に置くなら遠目でも読める大きさの見出しが、手渡しなら短い時間で読み切れる文量が、判断の基準になります。
どの要素を残して、どの要素を削るのかは、迷いやすいところですよね。
全部を頼まなくていい。自作、全部外注、一部だけ外注を比べる
イベントチラシの作り方は、自作か外注かの二択のように語られがちですが、実際には「一部だけ頼む」という選び方もあります。
三つを並べて比べてみます。
自作は、費用を抑えやすく、日程が直前に変わっても自分で直せる自由さがあります。
一方で、先ほどの話のように、自分では気づけない見づらさが残ったまま印刷に進んでしまう危うさもあります。
すべてを外注すれば、専門家の目で全体を組み立ててもらえますが、費用は依頼先や納品の範囲で大きく幅が出ますし、打ち合わせの時間も必要です。
そこで、文面や写真は自分で用意して、キャッチコピーとレイアウトだけを頼む、あるいは自作したイベントチラシの見づらいところだけを見てもらう、といった部分的な外注が、現実的な中間の選択肢になります。
ココナラのようなスキルシェアサービスでは、こうした部分的な依頼を受け付けている出品者もいます。
たとえば、完成前のイベントチラシを見せて、初めて見た人の目線でどこに目が止まるのか、日時と場所が読み取りづらくないかを聞かせてもらう、といった使い方です。
自分で作ったものを客観的に見るのは、作り手であるほど難しく、配り残しが出てから気づくより、印刷の前に第三者の目を通しておくほうが、費用も手間も小さくて済みます。
デザインの経験がある人の一言で、迷っていた点が一気に決まることも少なくないでしょう。
全部を頼む必要はないと分かると、頼むことへの気持ちが少し軽くなりませんか。
外注するときに、依頼の前に決めておきたいこと
外注するなら、最初に決めたいのは、イベントチラシを見た人に何をしてほしいのかです。
来場なのか、事前の申し込みなのか、SNSのフォローなのかによって、載せる情報も配置も変わります。
この目的が曖昧なままだと、デザイナーは選択肢の多さに迷い、案の方向がぶれやすくなります。
あわせて、配る場所とサイズも伝えておきたい点です。
店頭のラックなのか、手渡しなのか、画像としてSNSに載せるのかによって、A4やB5、A5といったサイズや、文字の大きさの目安が変わります。
印刷会社によって指定される入稿データの形式や納期も異なるため、印刷まで頼むのか、データだけ受け取って自分で印刷するのかも、依頼のときに決めておくと話が早く進みます。
印刷にかかる日数や修正のやり取りを考えて、配り始める日から逆算し、依頼は余裕を持って早めに動くことが、外注のいちばんの守りになります。
急いだ結果、日付の誤字が残ったまま刷り上がってしまうことも、珍しくありません。
入稿の前に、日時、場所、電話番号やURL、QRコードの読み取りを、依頼者と関係者で声に出して読み合わせるだけで、見落としを減らせます。
ここまで読んで、確認することが多いと感じたかもしれません。
けれど、全部を一人で完璧にこなそうとしなくても、必要な箇所だけ人の力を借りる形なら、始めやすいのではないでしょうか。
イベントチラシは、全部を自分で抱えるか全部を任せるかの二択ではなく、一部だけ頼むという選び方があると知っておくだけで、次の一枚の作り方が変わります。
自分で調べても答えが出ないときの向き合い方については、こちらで詳しく書いています。