「ネット副業を始めたのに、気づけば疲れ果てて何も残らなかった」。そんな声を聞くことがあります。始める前は期待に満ちていたはずなのに、なぜそうなってしまうのか、実際にあった話を交えながら考えてみます。
ネット副業を独学で始めた、ある人の体験
その人は、家計の足しにしたいという気持ちからネット副業を調べ始めました。動画編集、データ入力、せどり、アフィリエイトなど、ネット副業と一口に言っても選択肢は無数にあり、どれが自分に向いているのか判断がつかないまま、とりあえず検索上位で評判の良さそうなものから手を出したそうです。始める前に決めていたのは「月3万円を目標にする」ということだけで、そのために必要な作業時間や期間、必要なスキルについては特に計算していなかったといいます。
最初の1ヶ月は勢いで続けられたものの、思うように収入が伸びず、逆に調べものや修正作業に費やす時間だけが増えていったといいます。「向いていないのかもしれない」と感じながらも、ここまでかけた時間を無駄にしたくないという思いから、なかなかやめる決断もできなかったと振り返っています。
3ヶ月続けた時点での収入は月換算で数千円程度、作業時間から逆算した時給に直すと最低賃金を大きく下回る水準だったそうです。案件を探す時間、応募文を書く時間、実際の作業時間、修正のやり取りにかかる時間まで含めると、割に合わない状態が続いていたことになります。
一人で抱え込み続けた先に、何が起きるか
ネット副業を一人で続けていると、うまくいかない原因が自分の努力不足に見えてくることがあります。実際には市場の相場や需要を知らないまま進めていただけということも多いのですが、比較する材料が手元にないと、原因を自分の中に探してしまいやすくなります。
たとえば、同じデータ入力の案件でも単価が文字単価0.3円のものと1円のものが混在しているといった相場感は、経験がないと見分けがつきにくいものです。ジャンルによっては未経験者向けの案件と経験者向けの案件で単価が3倍以上違うこともあり、この差を知らないまま応募を続けると、努力の割に成果が伸びない状態が続いてしまいます。
この状態が長引くと、ネット副業そのものへの疲労感だけが積み重なり、本業や生活にも影響が出てくることがあります。休日を作業に充てて疲れが取れないまま平日を迎える、という状態が続き、家族と過ごす時間や睡眠時間を削ってまで作業を続けていたと話す人もいます。がんばっているのに前に進んでいる感覚がない、という状態が一番消耗しやすいのかもしれません。
収入という結果が見えないまま作業だけが積み重なっていくと、そもそも何のために始めたのかという目的自体を見失ってしまうこともあります。
独学と、経験者に相談することの違い
先ほどの人は、しばらくしてからスキルシェアサービスのココナラで、ネット副業の経験者に相談してみたそうです。自分の状況(本業がある、平日夜と週末の合計10時間程度しか動けない、初期費用はかけたくない)を伝えると、その条件に合ったジャンルの絞り込み方から、最初の1ヶ月で目指すべき現実的な目標設定まで、具体的に一緒に考えてもらえたといいます。
それまで手を出していたデータ入力ではなく、本人の事務経験を活かせるオンラインアシスタント業務を提案されたことで、単価も作業効率も大きく変わったそうです。相談は数千円程度の単発で受けられるものも多く、まとまった費用をかけずに専門的な視点を借りられた点も続けやすさにつながったといいます。
独学では「合うかどうか分からないまま試す」ことになりますが、経験者に相談すると「自分の条件に合わせて選択肢を絞ってもらう」ことができます。この差は、遠回りの量にそのまま表れます。同じ人が独学で3ヶ月かけてようやく気づいたことを、相談によって最初の1回のやり取りで把握できた、というケースも珍しくありません。
もちろん、相談したからといって必ず結果が出るわけではありません。
ただ、自分一人では見えなかった判断材料が増えることで、続けるかやめるか、あるいは方向を変えるかという判断そのものがしやすくなる、という違いがあります。
独学は正解が合っているかも分からないまま手探りで進む作業になりやすく、相談は自分の状況に合わせて判断材料を増やしてもらう作業になる、という違いがあります。
ネット副業と、どう向き合っていくか
ネット副業に向いている・向いていないは、始めてすぐには分からないことも多いものです。大切なのは、消耗しきる前に一度立ち止まって、続け方そのものを見直せるかどうかにあります。目安として、3ヶ月続けても時給換算で数百円程度にしかならない場合は、ジャンルや進め方そのものを見直すサインと考えてよいかもしれません。
逆に、収入額は小さくても作業時間が徐々に短縮されている、単価の高い案件が取れるようになってきているといった変化があれば、続ける価値のあるサインと捉えることもできます。
すぐに答えを出せなくても、それ自体は問題ではありません。今のやり方を続けるか、変えるか、あるいは一度立ち止まるか、決めきれずにいる時期があってもよいのではないでしょうか。大切なのは、判断材料が足りないまま消耗し続けてしまうことを避けることです。
ネット副業がうまくいかないとき、無理に答えを急ぐ必要はないのかもしれません。今は決めきれない、という状態を一つの選択として受け止めてみることも、消耗を防ぐ一つの形と言えそうです。
ここまで、ネット副業と向き合うための考え方について見てきました。一人で抱え込むことのリスクについて、もう少し掘り下げた内容を次の記事でまとめています。