「なんでわかってくれないんだろう」と感じたことは、誰にでも一度はあるのではないでしょうか。
気持ちを話しても、うまく伝わらない。
的外れな返事が返ってきて、かえって孤独感が募ってしまう。
そんな経験を重ねるうちに、「もう誰にも話したくない」と心を閉ざしてしまう人も少なくないようです。
今回は「自分をわかってほしい」という気持ちについて、いくつかの疑問に沿って考えていきます。
Q. 「わかってほしい」と思うのは、わがままなのでしょうか
結論を先に言うと、わがままではありません。
人に理解されたいと願うのは、ごく自然な感情であり、誰かとのつながりを求める気持ちの表れとも言えるのではないでしょうか。
ただ、「わかってほしい」という気持ちが強くなりすぎると、相手に多くを求めすぎてしまい、かえって関係がぎくしゃくすることもあるようです。
わかってほしいという願いそのものは自然な感情であり、否定する必要はどこにもありません。
実際に、パートナーへ気持ちを説明したのに「そこまで気にすることじゃない」と流されてしまい、余計に孤立感が深まったという経験を持つ人もいます。
友人に思い切って悩みを打ち明けたところ、話の途中で自分の武勇伝にすり替えられてしまい、聞いてほしかった部分が置き去りにされたというケースも聞かれます。
こうした経験が重なると、「もう誰にも話すまい」と心を閉ざしてしまいたくなる気持ちも、無理はないのかもしれません。
大切なのは、「わかってほしい」という気持ちを持つこと自体を責めないことです。
うまく伝わらなかった経験があっても、それは気持ちが間違っていたわけではなく、伝え方や相手との相性の問題であることも多いのではないでしょうか。
ひとつの判断材料として、同じ話を繰り返しても毎回すれ違うなら、相手ではなく「話す場所」を変えてみる方が近道になることもあります。
Q. なぜ身近な人にはかえってわかってもらいにくいのでしょうか
身近な人には、こちらの状況や背景をある程度知られているぶん、「察してほしい」という期待が生まれやすくなります。
ところが、相手にも相手なりの見方や事情があり、こちらが思うような形で受け止めてもらえるとは限りません。
友人に悩みを話したら、自分の経験に引き寄せたアドバイスばかりが返ってきて、聞いてほしかった部分がすっぽり抜け落ちてしまった、というすれ違いも起こりがちです。
近い関係だからこそ、相手の色眼鏡を通さずに聞いてもらうのが難しいという面もあるのではないでしょうか。
家族のように利害関係が深い相手だと、こちらの話が相手自身の心配や不安と結びついてしまい、純粋に「聞く」という姿勢を保ちにくくなることもあります。
心配のあまり、話す前から解決策を提案されてしまい、ただ聞いてほしかっただけなのに議論になってしまった、という声も少なくありません。
悪気がなくても話がずれてしまう。そんなもどかしさを感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
見極めの目安としては、話した後に「気が楽になったか」「余計に疲れたか」を振り返ってみることです。
後者が続くようであれば、その相手との相性というより、関係性そのものが「フィルター」として働いている可能性を考えてみてもいいかもしれません。
Q. 「わかってもらえた」と感じるには、何が必要なのでしょうか
多くの場合、「わかってもらえた」という感覚は、アドバイスの正しさよりも、最後まで遮られずに話を聞いてもらえたという事実から生まれるようです。
利害関係のない相手に、誰にも言えなかった気持ちをそのまま話してみたら、否定も評価もされずに受け止めてもらえた。
そんな体験をした人もいるのではないでしょうか。
身近な人への相談は「関係性というフィルターを通して」聞かれるものですが、こうした専門の相談先は「フィルターなしで、そのまま」受け止めてもらえるものです。
たとえば「ココナラ」のようなスキルシェアサービスでは、カウンセリングや話し相手を専門にした出品者に、匿名に近い形で気持ちを話すことができます。
相手の生活や人間関係を背負っていない第三者だからこそ、こちらの話をそのまま受け止めてもらいやすいという価値があります。
自分だけで抱え込んで答えを探すよりも、こうした場を一度試してみる方が、案外早く気持ちの糸口が見つかることもあるのではないでしょうか。
ただし、誰に話しても同じように楽になるとは限りません。
合う合わないは実際に話してみないと分からない部分も大きいため、一度で判断せず、数回試してみるくらいの気持ちでいるとよいかもしれません。
Q. わかってもらえないとき、どう動けばいいのでしょうか
まず試したいのは、「誰に、何を、どこまで話すか」を分けて考えることです。
すべてを一人の相手にわかってもらおうとすると、負担も期待も大きくなりすぎてしまいます。
仕事の話は同僚に、家庭の悩みはパートナーに、というように、話す内容ごとに相手を分けている人もいます。
一方で、相手を選ばずに誰かれ構わず話してしまうと、話すたびに反応が違って余計に疲れてしまうこともあります。
話す前に「今回は解決策がほしいのか、それともただ聞いてほしいのか」を自分の中で整理しておくと、相手選びの基準にもなりそうです。
それでも「誰にもわかってもらえない」という感覚が続くようなら、まずは一度、利害関係のない相手に話してみることをおすすめします。
伝わるかどうかを試す前に、伝えてみること自体が、次の一歩になるのではないでしょうか。
わかってほしいという気持ちは、誰かに強く求めるものではなく、まずは安心して話せる相手を一人見つけることから始まるのかもしれません。今日、ほんの少しでいいので、そんな相手を探してみることが、次の一歩になりそうです。
誰にもわかってもらえないと感じる時間が長引くと、次第に一人で抱え込む方向へ進んでしまうこともあります。
その先にどのような状態が待っているのか、気になる方はこちらの記事もあわせてご覧ください。